248:名無しNIPPER[saga]
2016/12/21(水) 03:11:24.67 ID:3nLW6oL9O
「黒い衣、死神ーー」
「死んではいるが、神ではない」
「えっ?」
「我等は神に憎まれた一族、神に捨てられた一族、とうの昔に滅びた種族」
怪物の叫び声より通る、凛とした声。
彼女は呆然とする私を下ろすと全身覆う黒衣のローブを脱ぎ捨てて、その姿を露わにした。
彼女だけではない。
周囲には彼女と同じような黒衣をまとった彼等彼女等が立っていた。
そして彼女同様に全員が黒衣を脱ぎ捨てて、その姿を月光の下に晒した。
月明かりを浴びて一様に輝くそれは息を呑むほど美しく、不思議と怖ろしさは感じなかった。
そして、ふと思った。
(歴史は嘘吐きだ)
「我等は赤髪の王の命により、貴様等を助けに来た」
(やはり、赤髪は悪魔なんかじゃない)
(皆、盗賊君…王と同じ目をしている。暖かくて優しい瞳を……)
674Res/446.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20