184:名無しNIPPER[saga]
2016/12/16(金) 01:41:41.66 ID:NG5ps7hHO
果てなく続くかに思える地下迷路。
この先にある目的地とは一体何処なのか、二人はそれを知らない。
店主はそれを告げる前に蓋を閉めてしまった。おそらく近辺にオークが現れたのだろう。
蓋を閉じた直後に何か叫んでいたようだったが、二人ともに聴き取ることは叶わなかった。
だが、進む他に道はない。
「……行こう」
と言って手を取ろうとした瞬間、何処からか声が聞こえた。
「早くしなさいよ。いつまで待たせるつもり」
声の主は女だった。かなり苛ついているのか、声を荒げている。
その女に対して、男性数名の「申し訳ありません」と繰り返し謝る声が聞こえた。
はきはきとした発声、装備品のがちゃがちゃとする音。おそらく兵士だ。
女の正体は分からないが、警護されているとすれば要人なのだろう。
姿は見えないが声は近い。彼等と合流出来れば目的地が何処かも判明するはずだ。
二人は顔を見合わせて示し合わせたように頷くと、声のする方向へと歩き出した。
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