182:名無しNIPPER[saga]
2016/12/16(金) 01:38:59.65 ID:NG5ps7hHO
『よく聞け。分岐する道には必ず紋章がある。紋章がある方向に進めば目的地へ辿り着く』
『紋章は地面や壁、柱や天井などに刻まれているらしい。注意深く観察しろ』
店主は事前に地下通路の存在を知らされていたのだろう。
娼館主には情報元が容易に想像出来た。
それは、東西軍部に入った今でも店主と交流のある情報屋。
あれから直接顔を合わせたことはなかったが、近頃は頻繁に手紙が届いていたようだった。
何度も見返していたのは、都にある地下通路入り口を把握する為だったのだろう。
あれだけの混乱の中で迷うことなく入り口に案内出来たのは、記憶していたからに違いない。
(ありがとう、店主。どうか無事で……)
「見なよ。ご丁寧に北、北西、北東、西、東の五つに道が分かれてる。これは面倒そうだ」
「ええ、地道に探すしかないみたいね」
早速分岐に差し掛かった二人は、店主の言葉通り紋章を探した。
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