勇者「救いたければ手を汚せ」 
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176:名無しNIPPER[saga]
2016/12/16(金) 01:31:33.44 ID:NG5ps7hHO

(暑さより臭いだ)

(この臭いを長時間嗅いでいたら確実に身体がおかしくなる)

道化師は咳き込む娼館主の手を引き、足早に歩き出した。

走ったところで呼吸が荒くなれば咽がやられかねない。慎重に進むべきだと判断したのだろう。

(気持ち悪くなってきた。急がないとマズい。彼女の顔色も悪くなってる)

娼館主は今にも膝を突きそうだったが、気遣う道化師に対して首を振り「大丈夫」とだけ呟いた。

しかし、一歩一歩が確実に遅くなっている。その言葉が強がりであるのは明白だった。

この短時間で酷く痩せこけたようにも見える。このままでは倒れるのも時間の問題だろう。

道化師は一旦手を離し、顔面蒼白となった彼女の脇を抱え、半ば引き摺るようにして道を進む。

申し訳なさそうに上目で見つめる彼女に「気にしなくていい」とだけ言い、先へ進んだ。



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