175:名無しNIPPER[saga]
2016/12/16(金) 01:29:11.45 ID:NG5ps7hHO
「うっ…」
「っ、酷い臭いだ」
生活排水なども含まれているらしく、むっとした異臭が鼻を突く。
娼館主が袖口で鼻を抑えながら、灯りを持つ道化師の背中を急かすようにつついた。
「分かってるよ。ボクだってこんな臭いはゴメンだ。さっさと行こう」
先導する道化師が手にしているのは元素街灯。箱状の点灯部位。
オークによって薙ぎ倒されたであろう元素街灯から取り外したものである。
持ち手がないため剥き出しになっていた針金を使って吊るしているが、とにかく熱い。
そもそも持ち歩くために作られた物ではないし、とてもじゃないが素手では持てそうになかった。
限界まで針金を伸ばし、持ち手に上着の袖を破いて巻き付けることで何とか持つことが出来た。
街灯の熱はかなりのものらしく、真冬にも拘わらず道化師の頬には大粒の汗が伝っている。
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