勇者「救いたければ手を汚せ」 
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168:名無しNIPPER[saga]
2016/12/11(日) 01:33:22.44 ID:qKo0UXK4O

「現在、別動隊とは一切連絡が取れない」

「転声符に異常があるのではなく、あの声の直後から何かが妨害しているらしい」

「各部隊に命じられた通り、人命の救助と生存者の発見及び保護が最優先だ」

「……俺の上官は、部下に死なれるのが大嫌いな人だ。俺も、部下に死なれるのは大嫌いだ」

俯きかけた時、一際大柄で貫禄ある部下が肩を掴んで揺さぶった。

びくっとして顔を上げると、周囲の部下達が子を案ずるような目で見ている。

事実。親子ほどにも年齢が離れている者もいる。肩を掴んでいる部下も、その一人だ。

その彼が、重々しく口を開いた。

「隊長、命令は以上か」

ぶっきらぼうな台詞に皆が微笑んだ。彼なりの、精一杯の気遣いなのだろう。


「命令は以上だ。了解か」

「はっ、了解しました!!」


上官として彼らの上に立つ以上、情けない姿は見せられない。

部下であった青年は隊長として部下を率い、任を果たすべく走りだした。



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