勇者「救いたければ手を汚せ」 
1- 20
126:名無しNIPPER[sage saga]
2016/11/28(月) 12:45:54.88 ID:7ElujT9zO

「(対価について文句はない。このくらいなら我慢出来る。うん、大丈夫)」

「(……てか、久し振りだねって何だ。何であんなこと言ったんだろ)」

「(馬鹿か私は、今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ。しっかりしろ)」


ニ度三度頭を振り、何とか気持ちを切り替えようとするも、想いは燃え上がる。

堰を切ったように溢れ出したそれが心を染め上げ、瞬く間に魔女を支配していく。


「魔女?」


己の体を抱いたまま小刻みに震える魔女。その様子を見た勇者が声を掛けた。

胸の鼓動が跳ね上がる。

その声を聞いただけで、どうにかなりそうだった。

これまでは、一度たりともこんなことにならなかった。

異性として勇者に好意を寄せているのは認める。しかし、これは一体どうしたことだ。

想いを失うどころか、恋慕の情は増すばかりではないか。


「(そっか、そういうことか)」

「(もっと好きになって、もっと後悔しろって、そう言いたいわけだ)」

「(死ぬまで、この想いを抱いて生けってわけだ)」

「(でも、大したことない。こんなの、全然大したことない)」

「(失うよりは、ずっといい)」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
674Res/446.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice