123:名無しNIPPER[saga]
2016/11/28(月) 03:30:23.49 ID:CkwEvwOOO
空からの強襲。
その衝撃によって地面が窪み土煙が上がったが、符術師によって直ぐさま土煙が払われた。
次第にはっきりと見えてきた勇者の姿を見て、魔女の心は高鳴った。
これまでにない高鳴りだった。心なしか、炎の様子も何かおかしい。
その炎こそが、魔女自身なのであるが。
「……これが、奴の狙いらしいな」
「親しい人間を手に掛けさせることで、僕の動揺を誘ってる」
淡い輝きをそっと空へ送ると、魔女へ向き直り、勇者が口を開いた。
「久し振りだね」と駆け寄ろうとした時、体を焼かれるような痛みが魔女を襲った。
勇者に近付こうとした瞬間の出来事。
彼女はこれが契約内容の一部であることを、すぐに理解した。
勇者に恋い焦がれながら、勇者に近付くことは決して出来ない。
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