桐生「アイドルの……プロデューサー?」 社長「うむ」
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3: ◆4STEbn7FMs[saga]
2016/11/09(水) 15:41:19.43 ID:cmRQltu+o
雪が降る中、俺は血塗れで倒れていた。

もう身体に力が入らない。

相沢との死闘に勝利し、俺の帰る場所へと歩みを進めたが……ここまでのようだ。

広がった腹の傷口から血が流れ、灰色のズボンは赤く染まっており、白い雪も俺の周りだけは赤黒くなっている。

桐生
「……遥…………」

薄れゆく意識の中、俺は大切な人間の名を呼んだ。

もちろん返答などはなく、風の音にかき消されていく。

桐生
「(錦……由美……遅くなっちまったが……今行くぜ……。親っさん……情けない最期になって、すんません……)」

そうして、俺の生涯は……幕を閉じようとした。

「おじさんっ!」

聞き覚えのある声。

何度も聞きたいと願い夢見て、いつでもその声を聞くことができて……それでもずっと遠い存在になってしまった……。

桐生
「遥……」

遥?
「しっかりして、おじさん!」

目の前に、遥がいた。

心配そうに俺を見つめるその瞳に、吸い寄せられる。

これは……夢か……?

遥?
「すぐに救急車が来るから! 寝ちゃダメ!」

そうか……都合のいい夢を見たものだ……だが、夢でもいい……今は……この夢の中で眠ろう……。

遥?「おじさんっ!!」


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