提督「…さぁ出撃してこい!」 曙「黙れクソ提督」
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674: ◆VENk5mkP7Y[sagesaga]
2018/01/05(金) 02:20:43.59 ID:YYdFGxTY0
ー波止場ー
あてもなく歩き続けた私は、気づいたらこの場所にいた。
視線の先には青い海。
白いしけがウサギのように跳ね、どこまでも、遠く、遠くへ広がっている。
太陽は傾き始め、西の空はだんだんと紅に染まり、東の空は黒い静寂が飲み込んで行く。
提督のいなくなった私の時間は、あの時止まってしまった。
しかし世界は変わらず、私だけを置いて時間を進めて行く。
…そんな錯覚に囚われる。
どうすればよかったのだろう。
毎日そればかりを考え。
…そして毎日同じ結論に至る。
五月雨「…私のせいだ」
提督はいい人だということをみんなに早く伝えていれば。
囚われた提督をすぐに助けに行ってれば。
提督のやろうとしていることに気づいていれば。
きっとこんな結末にはならなかった。
青いケータイ「pppppp…」
五月雨「ッ」
不意に。
ポケットの中の青いケータイが鳴る。
…気付いたのだろう。
私が命令を無視していることに。
手が震える。
電話を取るのが怖い。
でも。
ポケットの中のケータイを取り出し、固唾を飲んで、そっと電話に出る。
その瞬間、私の青いケータイは隣から引ったくられ、海に投げ込まれた。
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