提督「…さぁ出撃してこい!」 曙「黙れクソ提督」
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671: ◆VENk5mkP7Y[sagesaga]
2018/01/05(金) 02:18:07.35 ID:YYdFGxTY0
青いケータイが鳴る。
前までは鳴ることが楽しみで仕方なかったケータイ。
大好きなあの人の声を耳元で聞けたケータイ。
大好きだったケータイ。
…しかし今は…。
???『もしもし五月雨か?次の作戦を伝える。すぐに行動に移るように』
五月雨「…はい」
鳴ることが怖くなってしまった私の青いケータイ。
大好きなあの人と似た声を耳元で聞けるケータイ。
嫌いになってしまった私の青いケータイ。
電話の向こうの私の提督。
永久戦犯として、ない罪を着せられ処刑されたという私の提督。
しかしながら、実は生存しており、投獄されている牢屋から秘密裏に私たちに指示を出している…
という設定で私の提督のフリをしている知らない誰か。
その誰かが今日も私たちに指示を出す。
???『ーーーーーーーー』
聞こえる不愉快な雑音に自然と顔がこわばる。
無茶苦茶な作戦。
聞いてて頭痛のする連戦。
…分かっている。
この電話の向こうにいる人間は私たちの提督ではないと。私たちの提督はこんな無茶な命令を出す人じゃないと。
…しかし。
川内「それで!提督は私たちになんて言ってた?!」
時雨「いつでも出れるよ!」
夕立「提督さんのお役に立つっぽい!」
目をキラキラと輝かせながら…。
…いや。
もはや返り血か己の血かも区別できないようなボロボロの体に、不自然と目だけランランと輝かせながら、今しがた帰投したばかりの艦隊がこちらの命令を心待ちにするように、胸の前に手を組んで、静かに私の言葉を待っている。
彼女達は私の青いケータイの先にいるのが、本物の提督だと信じているのだ。
…いや違う。
きっと本心では全員気づいている。
私の青いケータイの先にいるのは私たちの提督ではないと。分かっている。気づいている。
しかし、そうじゃないと。
提督が生きていると思わないと。
もはや彼女達は自分の心を支えることができないのだ。
五月雨「…提督からの命令は…」
一瞬の思考。
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