季節走り 心はいつまでも (モバマス)(輿水幸子)
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21: ◆MhRo2YnWE.V/[saga]
2016/09/30(金) 13:30:53.85 ID:pRXmeXlp0
 さて、そんな話をしながら歩けば公園にも着く。
 木々の中に遊歩道がある自然公園。昼時の公園は気持ちのいい木陰に包まれているが、大して人もいなかった。
 なぜなら今日は平日だ。みんなあくせく働いているんだろう。資本主義経済の戦士たちのために祈ろう。

「いい雰囲気ですね」

「そうなのか?」

 確かに木陰は涼しそうだけれど、ごく普通の公園だ。いや、人が少ないのがいいのかな。
 ちなみに幸子は、俺と会うために学校をさぼっている……わけではなく、学校行事の振り替え休日なのだそうだ。
 そして俺は彼女の休みに合わせて休みを取っている。日が合わない週も、一回以上は午前や午後、夜にちょっと会うくらいはする。……我ながら熱心なことだ。

「ほら、あそこです」

「どこだ? ……ああ、あのベンチか」

 ちょっとした広場の真ん中に噴水があり、その周囲にベンチが設置されている。なんとも、らしい場所に連れてこられたものだ。
 四人ほどが座れそうなベンチの右側に、くっついて座る。
 俺の左に座った幸子が、膝に乗せたカバンを開けた。さて鬼が出るか蛇が出るか。

「さあ、どうぞ」

「きたな」

 幸子が取り出して俺に渡したのは、かわいらしい布包みだった。割と大きめか。
 予想通り、幸子は手作りのお弁当を作って持ってきていたらしい。保冷をしていたらしく、残暑の中、カバンに収まっていた割には冷たい。


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