80:名無しNIPPER[saga]
2016/09/21(水) 18:11:58.80 ID:AhSgyJvx0
コブラ「それっ!…んぎぎぎぎ…!」ガコッ…
戦士「!?」
レディが黒騎士の特大剣を格子扉の淵に差し込んでいる間に、コブラは石積みの隙間に指を入れ、石塊を壁から抜き出していた。
戦士「お…おい…」
ボコッ
コブラ「ひーひー…はぁ〜しんど…」
石塊の大きさは人ほどの大きさもある。
コブラ「さってと、もうひと踏ん張りするかな!ダァーーーっ!!」ダッ!
そして、コブラは石塊を高く掲げて、格子扉へ向け走り出し…
ドグワァァーーッ!!
その勢いのまま、格子扉へと石塊を叩きつけた。
扉は派手な音と火花を散らしてくの字に曲がり、ゴロンと倒れこんだ。
戦士「………」
コブラ「ふぅー…テコの原理と古今東西のエセ武道の応用だ。ちょいと隙間を開けた所にべらぼうに強い衝撃を加えれば、まあこんなもんだ」
レディ「魔法で強くなったとは言っても限界はあるようね」
コブラ「そうでないと困る。五芒星をいちいち消してたんじゃどっちが魔法使いか分かったもんじゃない」
コブラ「で、こうして扉は開いたわけだが、できれば感想なんかを聞かせてもらいたいね」
戦士「………?」
コブラ「へへ、驚いて声も出ないか」
コブラ「まぁ何はともあれ、これで病み村への道が開かれた訳だ」
レディ「でも大丈夫なの?病み村と言うくらいだから、衛生環境は最悪のはずよ?何か対策を考えないと」
コブラ「そこなんだよなー…なぁアンタ、なんかいい話は知らないか?」
戦士「いい話?……そう、だな……」
戦士「鍛冶職人のアンドレイが住んでいる、古い小教会があるんだが…そこの裏手で解毒の苔が手に入るはずだ。まぁ、あそこもロクなもんじゃないけどな…」
コブラ「よぉし、そうと分かれば早速出発だ。どうせロクなものなんてココにあるはずも無いんだ。開拓者精神でもって臨もうじゃないの」
戦士「な、なぁ、ちょっといいか?アンタ一体何者なんだ?山羊頭の奴にもあんな真似出来な…」
案内役の男が混乱した口調で、コブラに矢継ぎ早に疑問を叩きつけた。
だがコブラは目を伏せてほくそ笑むだけで、彼の質問の波には答えなかった。
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