712:名無しNIPPER[saga]
2021/06/23(水) 13:08:11.28 ID:joB1L1uj0
バチン!!
パッチ「ぐはっ」
バチン!!バチン!!
頬に走った激痛で、パッチは目を覚ました。そして痛みの波に揉まれていることを知った。
パッチに馬乗りになって両拳を振り下ろしている銀仮面の騎士に、拳を止める気配はない。
パッチ「ま…まって…」
銀仮面の騎士「ああ?」バチン
仮面の奥からは、若い男の声がした。
パッチ「ぶっ…ま、まって…」
銀仮面の騎士「聞こえねえんだよ」ブリブリ
ぬちゃっ
パッチ「ぐ!?むぐぐーっ!?」
銀仮面の騎士「聞こえねぇんだよー俺の糞なんて食ってるからー」
パッチ「もがあああああああ!!」
銀仮面の騎士「暴れんなよお前さぁ。お前のためなんだぜ?けつの穴に糞団子つめて、それ出してさ、それお前に食わしてさ、それっぽくするの」ぬちゃぬちゃ
パッチ「かっ…か……」
銀仮面の騎士「不死人は糞できないからな。それっぽくするには、他人の糞詰めるしかないんだよね」ぐりぐり
銀仮面の騎士「でも、おかげで懐かしいんだよな。糞ができるって生きてる証拠だよ。食べてる証拠なんだ」
銀仮面の騎士「尊厳を汚すってことは、尊厳があることを認めることなんだ。ホントに尊厳の無い奴は馬鹿にする気にもなれないからさ、あんたは誇っていいんだよね」
ひとしきり独り言を喋り尽くすと、騎士は馬乗りをやめてパッチを蹴り転がし、糞まみれとなった彼の口にエストを突っ込むと、下半身の装備を身につける。
焼いたパンのように顔を膨れさせたパッチは起き上がれず、力なく口から糞を吹き、エストに溺れながらも、絶え絶えの息を続けるのがやっとだった。
銀仮面の騎士「アーリマン様、パッチが目を覚ましました」
目を覚ますどころか窒息しかけ、今や毒をも食わせられて瀕死となっているパッチの耳に、聞き覚えのある名前が入る。
そして、絶望的な落下からはともかく生還したということを知った。
パッチはどうにか上体を起こし、糞と、糞に刺さったエスト瓶を吐き出した。
クリスタルボウイ「ひどいザマだなパッチ。子の仮面に好き放題されたな」フフフ…
パッチ「ここは…どこだ……子の…仮面…?」ヨロッ…
掠れた声を出しつつも、パッチは糞にドリップされたエストの効果で、皮肉にも活力を取り戻してしまった。
糞の毒に犯された身体も、一時の活力のおかげで、どうにか立ち上がるだけの力を絞り出せてはいる。
子の仮面「よっ」
照れ臭そうに声を掛けてくる騎士を前に、パッチはまたも戦慄した。
仮面騎士の悪霊の伝説は、正気を保つ全ての不死人が知る呪われた物語である。
幾百、幾千もの不死人や怪物たちを殺戮し、その死に何を見出しているのかも分からぬ者達。
その血塗られた伝説が、目の前にいるのである。
その姿、その存在を疑おうにも、物語にある彼らの恐ろしさは、パッチは既に体験している。
クリスタルボウイ「こいつは叩き伏せた相手に糞を投げつけるのが大好きでな。汚物に塗れた相手を指差して笑う、妙な趣味を持つ男だが、なかなかどうして使える奴でな。こうして俺のそばに置いているのだ」
子の仮面「ここだけの話、俺はこの人を殺すために使われてるフリをしてるんだ。これ内緒だからな」
パッチ「………」
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