【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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606:名無しNIPPER[saga]
2019/08/14(水) 03:35:02.12 ID:wD4UrRil0

ヴン!!


コブラ「!」



突如、記憶の風景が消滅し、闇がコブラとグウィンドリンを包んだ。
空も地も無く、上下さえも定かではない。



コブラ「停電か?それとも上映終わり?」


グウィンドリン「王が火継ぎに旅立ったのち、我ら月の子らは再びアノール・ロンドの奥へと秘され、政から離された」

グウィンドリン「法官の策も停滞に入り、彼奴の動きにも暫くは目立った所が無い」

グウィンドリン「故に、新王となった我が兄が何を行ったかは、他の法官……クリスタルボウイとは異なる者達の残した書により、切れ切れに知るのみだ」

グウィンドリン「故に、映るものも無い」


コブラ「あらま」


グウィンドリン「グウィン王無き後、新王は人の秘めたるダークソウルへの対抗として、人と共に築いた人の都…輪の都を人知れず封印した」

グウィンドリン「神からの働きかけ無くして、アノール・ロンドに干渉できぬようにとの事だろう」


コブラ「臭いものに蓋したわけだ」


グウィンドリン「蓋というより、遺棄と言うべきだろうな」

グウィンドリン「次に新王は、先王が人を御す方法を試すためにと築いていた別の人国、小ロンド国へ赴いて闇を忌むべきものと定めさせ、新たに王を四人と定めて互いに尊信するようにと命じた。小国は公国となり、四君主を頂点とした民主制を築き、神の庇護を一身に受けた人国となった」

グウィンドリン「小ロンド公国は栄えた。人と神の築く文明国として、理想と言える形を成した」


コブラ「当てようか。……だが、思ったほど長くは続かなかった。だろ?」


グウィンドリン「左様だ」



肯定の言葉とともに、闇は再び色を放ち始めた。
コブラの足元には白い石畳が現れ、周囲の虚無は竜狩りと処刑者がコブラの一行と矛を交えた大広間を浮かび上がらせた。
大広間の最奥、大王の立像の前には玉座が置かれ、そこに座すのは太陽の新王。
その新王の眼には、広間両脇を埋める神々と、己の正面に書を持って立つ、一柱の女神の姿が映っていた。



新王「我を前に、もう一度申してみよ」



低く厳かな声で、新王は事を確かめた。
再び発言するよう求められた黒髪の女神は、臆することなく、国を揺るがすほどに危うい題を告げた。



罪の女神ベルカ「神々の審判者にして、暗月の魔力の信奉者。魔女にして罪の女神たるベルカの名の下に、汝に告げる」


ベルカ「この場を以って名をとこしえに封じ、王の座を捨て、アノール・ロンドより去れ」





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