【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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583:名無しNIPPER[saga]
2019/02/03(日) 09:46:59.21 ID:JzhD+8380

再び景色は移り変わり、コブラとグウィンドリンは暗い地の底に立っていた。
地の底はやはり暗く、水音さえも響かないが、不思議と完全な闇に埋め尽くされる事はなく、コブラは自身の足元や指先を確認することができた。


コブラ「今度はなんだ?」

グウィンドリン「墓場だ」

コブラ「墓っ?まさか、あんたのファザーとマザーのだったりしないだろうな?そういう深刻な流れは苦手なんだ」

グウィンドリン「ふむ……似てはいるが、違う。ここは我が父上の叔父の墓。神が最初に作りし墓だ」

コブラ「最初の墓とはまた、漁り甲斐のありそうな所だなぁまったく」



グウィンドリンはそう言うと、暗闇を指差した。
指の示す方向にコブラは眼を凝らし、闇に慣れた眼は、それを捉えた。



コブラ「こいつは……骨か?えらい巨人だぜ。しかもいくつか、俺くらいの大きさの人骨が上に折り重なっている」

コブラ「十人…十五人……神の埋葬にしちゃあ、ちと雑すぎるんじゃないの?」


グウィンドリン「太古の我らは、今ほどソウルの働きに乏しくはない。ゆえに死しても肉体が残るのだ」

グウィンドリン「ならばせめてと、神々は最初の死者たる神、ロイドの聖体に死者を祀ったのだ。古竜に脅かされし卑小な存在であろうと、安らぎを得られるように」

グウィンドリン「だが、神々の不遇も終わりを迎える。今、この時に」


コブラ「?……なんだアレは…」



コブラの視界に広がる、全くの静寂たる闇に、か細い光が灯った。
光は巨神の胸骨内部から発せられており、その輝きは輪郭を持ち始め、炎のように揺らぎ始めている。


ガッ!

コブラ「!」



その揺らぎを、胸骨を押し広げて掴んだのは、巨神自身の白骨の左腕だった。



ズワァーーッ


コブラ「オオーッ!」



神々の骨を纏いし巨神の遺骨は、命無きまま超然と起き上がり、左掌に灯された炎の如きソウルを、眼球を失った眼底で見定めた。
もはや身体となった骨の山からは、黒い瘴気が巻き起こり、黒い瘴気から伸びた一本の塊は、巨神の胸骨に潜り込んで一振りの巨剣となった。
そして巨人がその剣を、自身の骨山から抜き取ると、瘴気は再び巨神の身体に満ち溢れ、外套のように巨神を包んだ。




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