52:名無しNIPPER[saga]
2016/09/16(金) 19:05:53.13 ID:arCyxKGf0
ボファアア…
霧を潜ったコブラとレディの前には、広く敷き詰められた屋根瓦と、その向こうに建つ鐘楼が見える。
敵はどこにも見えない。
コブラ「着いたかぁ。全くロクでもない道中だったぜ」
レディ「ええそうね。私のボディーの修理は誰がやってくれるんでしょ」
二人は談笑しながら鐘楼へ向かって歩いていく。
地上にいた弩兵は既に全滅しており、ドラゴンなどの空を飛ぶ敵対者もいない。
「変わった連中だとは聞いていたが、本当に妙な格好だな」
コブラ「?」
抱かれの騎士ロートレク「フフッ…クククク……」
鐘楼の入り口の奥に、くすんだ黄金色の鎧を着込んだ男が立っていた。
両の手には鉤状に曲がりくねった剣を握っている。
コブラ「やれやれ、今日は口喧嘩が下手なヤツとよく出会うな」
ロートレク「なるほど、口が減らない所も話の通りか」
コブラ「で、その話ってのは一体誰がしてるんだ?みんなで俺の噂なんてするもんだから、こっちは風邪ひいちまったんだ」
ロートレク「誰が貴公らの噂をしているかなど、今はどうでもよいだろう。そして実際に貴公らの活躍ぶりを見るに、俺の仕事は貴公らの抹殺だが、俺一人の手には余るようでな」
レディ「抹殺!?」
コブラ「なるほど……俺はこっちでも人気者になっちまってたらしいや」
ロートレク「貴公のその減らず口もここまでだ。そして、俺はその負けん気の強い減らず口に感謝している」
ロートレク「ガーゴイル共が動き出すだけの時間が稼げたのだからな」
776Res/935.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20