【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
1- 20
41:名無しNIPPER[saga]
2016/09/16(金) 05:05:34.35 ID:arCyxKGf0
亡者と化した騎士達の剣勢をすり抜け、打ち倒し、飛び交う矢をかわしつつ、コブラがやっとの思いで滑り込んだ廃墟の中には、白い髭を蓄えた筋骨隆々な男がいた。
その男はコブラ達を招き入れ、篝火の側まで案内すると、煤にまみれた掌をすりすりと擦り合わせて煤を払い落としつつ、決めた誰かに言うわけでもなく喋り始める。


アンドレイ「外にいる亡者どもは誰彼構わず襲うが、此処までは来ねえんだ」スリスリ

アンドレイ「きっとこの火が大事なんだろうなぁ」スリスリ

ソラール「………」


アンドレイ「あんたらも不死の使命を知る為に来たんだろうがよ。あの教会の鐘を守ってるのは、牛野郎どころじゃねえ化け物だ」

アンドレイ「二本の剣と一枚の盾、それに全身鎧二着と素手じゃ、分が悪いってもんだぜ」


アンドレイ「俺はアストラのアンドレイ。ここで鍛冶をやってるんだが、どうだい」

アンドレイ「ここで武器を一式揃えるってのは」


アンドレイと名乗る男の提案に、ソラールの緊張した雰囲気が少し和んだ。
しかし、コブラは眉を潜めて自嘲し、両手をズボンのポケットに突っ込むと…


コブラ「せっかくのお誘いもありがたいんだが…」

アンドレイ「なんだ、どうした?」

コブラ「あいにく今は無一文でね。鼻毛一本ありゃしないんだ」


ポケットの内側をひっくり返して、ポケットの中の埃を床にパラパラと落とした。
ここの通貨単位を知る者はアンドレイを除いておらず、そもそも通貨があること自体、コブラには疑わしかった。
だが正に、予想を超えた返答が来て、コブラは困惑する。


アンドレイ「ウワッハッハッ!何言ってんだアンタ、ここでは金なんかよりソウルが大事なんだぜ?」

コブラ「ソウル?」

アンドレイ「ああ。不死人なら常識だと思うが、飯も睡眠もいらないかわりに、不死は何もしないでいるとソウルと人間性が枯れちまう」

アンドレイ「だから不死人同士の取引はソウルでやるんだ。ソウルがあれば亡者にもなりにくく、人間性も留めておける」

アンドレイ「まさか知らずにここまで来たわけでもないだろうが……そんな調子だとアンタ、鐘を鳴らす前に亡者になっちまうぞ」

コブラ「亡者ねえ…確かに、あんな老け顔になるにはまだ早いかな」



コブラ「ま、不死じゃない俺には関係無いことだがね」



アンドレイ「なに?」

レディ「私と彼は不死じゃないわ。私達の中で不死はソラールだけなの」

ソラール「その通り。亡者になるとしたら、俺だけだ」

アンドレイ「………」



アンドレイ「そ…そいつは驚きだ…」

アンドレイ「どうやってロードランに来た?不死人以外に巡礼が許されるなんざ稀にも稀だろう?」

アンドレイ「それにもし来れたとしても、とうに竜に焼かれてるだろうに…」

コブラ「その竜なんだが、多分もう出てこないだろうぜ。焼き鳥にして食っちまったからな」フフッ

アンドレイ「!?」

ソラール「貴公、嘘は良くないぞ」

コブラ「冗談だっつうのにもぉー、シャレが通じないってのは損するぜ?」

ソラール「むぅ…」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
776Res/935.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice