314:名無しNIPPER[saga]
2017/11/30(木) 02:36:24.35 ID:xz1EoYSY0
コブラ「ふぇーっ、助けてくれた恩人に文句を言うのもなんだが、次からはもう少し手心を加えてくれると助かるね」
ビアトリス「死ぬかと思ったぞ…」
タルカス「………」
コブラ「お、オイオイさっきまであんなにはしゃいでたろう?返事がないと心細いぜ」
タルカス「はしゃいでいたように見えるのか?」
コブラ「そりゃ見えたさぁ。贔屓にしてるチームが勝った時の俺みたいだったぜ」
タルカス「なんの話か知らん。俺は貴公を利用しただけの事だ」
コブラ「ああそうだ。ならもっと利用すべきだろ?」
タルカス「………」ザッ
コブラ「? おい、何処行くんだ?」
レディ「待ってコブラ。彼、何か…」
騎士はコブラを無視して広場の中央に立ち、その場に屈み込む。
すると、騎士の足元に白金色に輝く小さな輪が数秒現れ、消えた。
騎士は輪の消失を見届けると、立ち上がって空を見上げる。
コブラ「瞑想でもしてるのかい?」
タルカス「俺は神の国に行く。絵画が俺を呼ぶ」
レディ「絵画?」
コブラ「神の国だって?そんなものがこの先にあるのか?」
その問いにも騎士は答えない。ただ空だけを見つめている。
コブラは言い知れぬ不安を騎士に覚えたが、恩人である彼に対して強い態度を取りきれないところもあり、問いただす事に引け目を感じた。
バサーーッ!!
突然、コブラ達の目の前、タルカスの周囲に、翼を生やした色白の怪物が降り立った。
怪物の翼はコウモリの翼膜を持ち、身体は痩せこけてはいるが大柄であり、人型の四肢の末端は紅く染まっている。
手に持つ槍は骨の様な棘を持ち、雷を纏っている。
そして複数匹降り立ったうちの一匹が、目が無く、脳を剥き出しにした顔をコブラに向け、皮膚に覆われていない人間の口から、無臭の息を吐いた。
コブラ「なんだコイツらは…!」
ビアトリス「こっ…彼らはレッサーデーモンだ…神の御使にして、悪魔の子供たち…」
ビアトリス「気をつけろ…彼らを記した文献はほぼ存在しない。何をしてくるか分からないぞ」
全力を尽くした末での、未知の存在との戦いになるが、コブラ達は構えるしか無かった。
ジークマイヤーとローガンは戦えず、ビアトリスは魔法を使えず、レディはビアトリスを守るために戦いに加わることが出来ない。
頼れるのは、負傷し、サイコガンも多くて二度しか打てないコブラだけ。
そのコブラの構える黒騎士の大剣も、翼を持つ三匹の悪魔を相手にどこまで通用するか分からない。
三方向から同時に飛びかかられた場合、全滅は免れないという、絶望的な状況が形成されてしまった。
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