306:名無しNIPPER[saga]
2017/11/27(月) 05:17:20.05 ID:vx9J4ulM0
先の衝撃に内臓を痛めたコブラだが、鈍重な踏みつけを貰う程には弱っていない。
コブラ「!」
しかし、やはり援護射撃は有り難かった。
少なくとも少しの間、疲れた身体に鞭打つ必要が無くなるのだから。
シュドン! バスッ!
ソウルの太矢の狙いは精確で、巨像の体格に比しても小さいその頭にも、ビアトリスは連続した小爆発を次々と与えた。
レディに小脇に抱えられているため見た目は少しあれだが、その隙にコブラは巨像の背後に回り込む事に成功する。
タッタッタッタッ…
ジークマイヤー「ふーん!!」ブオン!
ガギィッ!
ビアトリスの魔法に続いて、ジークマイヤーも助走をつけて巨剣を振るい、巨像の脛に渾身の一撃を叩き込む。
金属同士の鋭い衝突音が響き、その音はジークマイヤーの脳裏に微かな勝利の予感をもたらした程だった。
だが、その一撃は巨像からの攻撃の呼び水にしかならず、そしてその矛先は…
ブオッ!
ジークマイヤー「おっ…」
ビアトリス「逃げろ!掴まれる!」
ジークマイヤーに掌として向かい…
ジークマイヤー「おろっ?」チッ!
ビアトリス(えっ?)
ジークマイヤーの頭上を掠め…
コブラ「!?」ガシィッ!
巨像自身の股下を通り抜け、巨像の背後にいたコブラに終着した。
その様子は滑稽とも言え、コブラに極めて古い地球の民俗学的知識を想起させた。
烏に睨まれた者には災いが降りかかる。それを逸らすため、睨まれた者は自身の股下から烏を睨む。
その姿勢で烏に向かって石を投げれば、災いから逃れられるという。
コブラ「ちょ、ちょっと待ってくれ!毒蛇投げるなんてカラスが可哀…」
ブオオオーーッ!!
突如突風の中に晒されたコブラは、ジークマイヤーに向かって一直線に飛んで行き…
ジークマイヤー「うげぇ!」ドガーーッ!!
彼を巻き込み…
レディ「コブラ!」サッ!
ビアトリス「痛っ!」ドテッ
バスーーン!
レディに受け止められ、ようやく止まった。
急に石畳に落とされたビアトリスは腹を痛め、コブラとジークマイヤーは全身を痛めた。
旅の一行は元いた場所に戻され、全員が負傷した。
四人の元へ巨像が近づく。
776Res/935.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20