301:名無しNIPPER[saga]
2017/10/17(火) 03:46:34.98 ID:NTTj+9fB0
崩れた塔は大量の瓦礫を吐き出し、瓦礫は城の各部を連鎖的に破壊した。
物見の塔から別の塔へと延びる石橋は断たれ、石畳は埋まり、または落ち窪む。
噴煙は収まり、跡には静かな積み石の山だけが残ったが、破壊されたのはあくまで物見の塔とその周辺のみ。
古城の大部分は健在であり、旅の行く先はまだ消えてはいなかった。
コブラ「なんとまあ随分と殺風景になっちまったなぁ」ガラガラ…
ビアトリス「正直言って、ここまでの事になるとは想像していなかっただろう?」ガラガラ…
ジークマイヤー「うむ」ガラガラ…
コブラ「奇跡って言ったか?神々の威光は少々ありがた過ぎたみたいだな。危うくこっちも立ち往生するところだ。よいしょっ」ガシャーン…
レディ「神に崩された塔って、まるでバベルの神話ね。でも敵もいなくなった事だし、生きてるだけで丸儲けと考えましょう」ガラガラ…
ジークマイヤー「バベル?ハベル神話ではないのか?」
レディ「?」
コブラ「この中に宝でも埋まってないかねー…これだけ歩いて指輪が一個だけって割に合わないぜ」ガラガラ…
不死達とレディがただ瓦礫を踏み越えるなか、コブラは未練がましく積み石をひっくり返しつつ、歩みを遅くしている。
元々明確な道筋や達すべき目標が示されない旅である以上、空腹である事も相まって、コブラは美女や宝といった褒美が無ければ戦意を維持できない状態にあった。
コブラ「ふぅー…」
そんないわゆる『元気のない』状態で、コブラ達は呆気なく古城の最終目的地と思われる部屋に着いてしまった。
その一室の上には本来物見の塔があったが、塔の崩壊により天井は消失している。
本来、別の塔へと続く石橋、物見の塔への階段、扉の無い霧のかかった門、狙撃兵に守られた横穴の、計四つの出入り口がその部屋にはあったが、石橋と階段は崩落し、狙撃兵は死んで埋もれ、霧を形作っていた門は崩落によって力を失ったのか、門の積み石から弱々しく白煙を漏らすだけだった。
そして、力を失った門の向こうには、壁の無い石造りの広場と、その奥地に建つ鉄の巨人像が見える。
何故コブラはため息を吐いたのか。
霧の先にあったものから、散々な目に遭ってきたからだ。
コブラ「今度の相手はアイツか……まったく分かりやすいぜ」
レディ「ジーク、ローガンは門の陰に寝かせておいた方が良さそうよ」
ジークマイヤー「うむ、そのようだな」スッ…
ローガン「………」グッタリ
ビアトリス「痛ましい……で、作戦はどうする?私の魔法もそろそろ使用限界が近い」
コブラ「作戦と言っても、敵の手の内が分からないからな。下手な考え休むに似たり。愚直に行くさ」
ビアトリス「愚直ね。分かったよ」
コブラ「………」スッ…
コブラの歩みが門を潜る。不死達もコブラの後に続く。
だが、些細なそれだけの動きも、攻撃の対象だった。
アイアンゴーレムは起動し、大斧を構え直すと、歩き始める。
像の起こしたアクションはコブラの予想の範疇にあったが、その歩みがすぐに止まったのを見て、怪訝に思った。
そして、侵入者を遠くに見据えたまま、何故大斧を振り上げるのかも。
コブラ「おっと、こりゃヤバい」
飛んでくるのは大斧だと思った。
しかし、アイアンゴーレムは更に予想を上回った。
776Res/935.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20