【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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300:名無しNIPPER[saga]
2017/10/16(月) 06:31:02.49 ID:xwCzCUK20
依然として眠り続けるローガンを壁際に寄りかからせ、ジークマイヤーは威風堂々に歩き出した。
石畳を焼いた炎はすで沈静し、所々に燻りを残している。
その燻りの一つを踏み退けて、ジークマイヤーは大玉の着弾地点に立った。

ビアトリス「!? おい!気でも触れたのか!?」

ビアトリスは焦った様子で声を荒げたが、カタリナの騎士は巨人を見上げたまま動かない。
コブラとレディは静観しているが、事が起きればレディはジークマイヤーを引き戻し、コブラは無けなしのサイコエネルギーを放つだろう。
巨人は逃げも隠れもしない侵入者を訝しく思いつつも、やはり仰せつかった使命に忠実に従った。


ゴオオオッ!!


火薬を満載した大玉が、ジークマイヤー目掛けて飛んでくる。
レディは駆け出し、コブラはサイコガンを抜いた。


ジークマイヤー「フン!」バッ!


カタリナの騎士はタリスマンを握りしめ、大きく胸を張った。
彼のとった行動はそれだけだった。


ドオオオォォーーーン!!


レディ「!?」

コブラ「なにっ!?」


だが、それだけを行なった不死の全身から、爆発とも呼べる強烈な衝撃波が発せられた。燻る炎は掻き消され、レディは元いた場所まで押し戻された。空気中の埃や塵も巻き上げられ、ジークマイヤーを中心に大きな球状の無風地帯が形成された。
更に、衝撃波が撥ね除けたのはそれらだけではなかった。


巨人「むぉっ!?」


巨人は驚嘆した。
侵入者へ向け投げつけた火薬玉が、小男に投げ返されたのである。しかも、巨人には選択肢が無かった。
大玉の殻は薄く、受け止めれば割れて爆発し、撃ち返しても爆発する。避ければ作り置きされた残りの大玉に、眼前の大玉が直撃して爆発する。そして如何なる爆発も、全ての大玉を連鎖的に吹き飛ばすだろう。

巨人「オオオオオーーッ!!」

ゆえに、巨人は塔から飛び降りるしか無かった。


ドグワアアアアアァァァ!!!


物見の塔は粉々に吹き飛んだが、巨人は九死に一生を得た。
キノコ雲さえ立ちのぼらせる程の炎に包まれれば、巨人といえど跡形も残らなかっただろう。
巨人の判断は正しかったが、使命の完遂にはあまりにも不都合だった。

ズドドドオォン!!

巨人「むおお!?ふおおおお!?」ガラガラガラ…

城は遥か昔からあり、長年風雨に晒されてきた。
蛇人達に整備をするほどの知能は無く、巨人達は大きすぎて、重すぎたのだ。
城は誰からも顧みられる事無く、手入れはされなかった。
そんな古城に、飛び降りた巨人を受け止めるほどの頑強さなどは無かったが、泥の山のように崩れて、衝撃を吸収するくらいの耐久力は残していた。

巨人「おおおおおおおお!?」ガラガラガラ…

巨人はゆっくりと古城を削りながら滑り、鬱蒼とした森へと落ちていった。
不死達の体にソウルが流れ込まないのだから生きてはいるが、もう古城へは戻れないだろう。
登ろうにも、登れば崩れるのだ。



ジークマイヤー「見たか!これが騎士の奇跡!フォースの力だ!」えっへん

コブラ「スターウォーズかな?」

ビアトリス「まさか跳ね返せるとは…」

レディ「なんだかすごい事になったけれど、これ登れるのかしら?」

ビアトリス「わからん…」



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