27:名無しNIPPER[saga]
2016/09/15(木) 20:59:57.28 ID:KpK00xl90
縛から解かれた飛竜は怒り狂い、猛っていた。
己を捕らえて痛みを負わせた者を焼き、ソウルを食らう事だけが、怪物の目的となっていた。
ヘルカイト「グギャアアアアアアアアアアアアア!!!」
だが、かの竜達の『出来損ない』としてこの世に生を受けた者には、知恵など無く、
ただ目の前の戦士にのみ、敵意を向けていた。
ゴワァ…
真っ黒に開かれた飛竜の口内から、熱がせり上がる瞬間、ソラールは雷を投擲する。
バジィン!
ヘルカイト「ギャウウウッ!」
放たれた雷は飛竜の右目を射抜き、黒煙と共に眼球を焦がした。
しかし飛竜は倒れず、頭を大きく振って痛みを紛らわせる。 ソラールは二投目を行う為に、掌にあるタリスマンに祈りを込める。
バッ!
ソラール「!!」
そしてソラールの手に雷の槍が現れはじめた時、 飛竜は予想を超えた速さで、ソラールに照準を向け…
ド ゴ ー ー ッ ! !
山と積まれた火薬が炸裂するような音を立てて、その鱗が密集した背中を爆発させた。
ソラール「おおっ!?」
おびただしい量の鱗を撒き散らしながら、飛竜は崩れ落ちる。
口からは火柱ではなく火の粉を散らせ、全身から黒煙を上げながら、竜の残骸は徐々に形を霞ませていく。
やがて霞が晴れる頃、太陽の戦士の視界に、 跪いた男と、その男を支える鎧姿の女が入った。
コブラ「よお…ちょっとタバコくれないか…?」ゼェゼェ…
ソラール「………タバコ?…」
顔色の悪い男はそう言うと、力なくニヤリと笑ったが…
スッ…
急に演技をやめた役者のように、みるみる元気になって立ち上がり、頭を掻いた。
コブラ「なんだぁ?急によくなっちまった」ポリポリ…
レディ「…なんか、だんだん貴方が仮病を使ってるように思えてきたわ」
コブラ「よせよぉ、そんな目で見ないでくれ。オレにもサッパリ分からないんだ」
コブラ「それにしてもアンタ、危なかったな。もう少しでバーベキューになるところだったぜ?」
ソラール「ん……あ、ああ…そうだが…」
奇抜としか言いようの無い格好をした男に無闇に話しかけられ、ソラールはまたしても困惑した。
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