【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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247:名無しNIPPER[saga]
2017/04/14(金) 04:18:01.95 ID:ZtOv7Aan0
その巨大な竜にとっては、思わぬことだった。
竜は人語を解し、話すことも出来る。
偉大な力に恵まれており、滅びぬ体と永い寿命を有し、王の時代すら見てきた。
そしてなにより、竜は竜ではなく、巨大な蛇だった。

ラレンティウス「ウオオオオオーーーーッ!!」ダダダダダ…




王の探索者フラムト「ま、待てい不死者よ。怯えるのは分かる。だがまずわしの話を…」





フラムト「………」


フラムト「やれやれ、行ってしまったわい。二つの鐘が鳴り、1000年の眠りから覚めてみれば、わしを起こした者があのような小心者とは…」

フラムト「望むべき不死の英雄なども、なかなか現れんということか」




「また竜か。しょうがない。さっさと移動するぞ」

「そうねコブラ。でもここから近い篝火って言ったら、あそこしかないわよね?」

「そうだな。たんまり殺したから霊も俺に纏わり付いている。武器の修理のついでにミソギといくか」

「そうか、教会近くのアンドレイがいる篝火か。あそこまでは確かに竜も来れんだろう」


石畳に開いた穴から首を出すだけの身であるため、蛇は去りゆく不死達を制止することができなかった。

声の様子からして、ここには不死の一団があり、彼らはコブラという男を中心に結束しているようだった。
それは探索者たる蛇に、この世界についての決定的な激変を再び思い起こさせる。
世界の大合一が起こる前、不死達はほとんど互いに触れ合うことなく、霊体として並行世界を行き来しつつ、儚く足掻くだけの者達だった。
例え眠りについていても、蛇は知っている。それが役割だったからだ。
そして今や、使命を帯びし者達は孤独ではない。闇に潜む霊達すらも。


フラムト「いや、やはりこの目覚めは、来るべき英雄の為なのかもしれぬな…」

フラムト「コブラ……今は声しか分からぬ者よ。わしはここで待っておるぞ」




コブラと呼ばれた男と、その仲間達の声は、足音と共に消えていった。
蛇は首を穴からもたげたまま、一時の眠りに就こうとした。
だが再び複数の足音が近づいてきた事に気付き、眼をまた開いた。






ソルロンドのペトルス「おお!素晴らしい!貴方が聞きしに伝わる『世界の蛇』であらせられるか!ささ、お嬢様。どうぞ謁見なされ。このような機会、幾度もあるものではございますまい」


聖女レア「…………」


ソルロンドのニコ「むーん…」


ソルロンドのヴィンス「うえっ…ひどい臭いだな…」


レア「こっ、こらヴィンス!控えなさい!失敬ですよ!」あわわ…



だが、蛇の前にはコブラと呼ばれそうな者など一人もおらず、声も聞こえなかった。
代わりに、なんとも間の抜けた、頼り甲斐のなさそうな一団がざわついており、蛇はため息をついた。

ヴィンス「うわくっさ!ごほごほっ!」

レア「もう、貴方という人は…」

そのため息に露骨な嫌悪を示した近衛の僧兵に、気品はあるが人への教養に欠けていそうな聖女が再び叱咤した。
しかしその声は小さく、叱咤というよりは、独り言に近い愚痴りであった。


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