200:名無しNIPPER[saga]
2016/12/03(土) 06:49:33.40 ID:4PLo+dUy0
コブラ(目が見えていないのか。それに血色も悪い。蜘蛛も白くなっちまって、まるで抜け殻だ)
コブラ(気の毒だが、俺のソウルを吸収してどうにかなるようには見えないな…)
混沌の娘「姉さんが人を連れてくるなんて初めてだわ…それも三人も…」
混沌の娘「きっと、いいことなのでしょうね」
コブラ「三人?このジイさんは勘定違いじゃないかな」
混沌の娘「?」
卵背負い「お気になさりませぬな。今までわしらの声は、貴女様には届かなんだ。お目も見えぬのですから、わしらなぞ居らぬも同じですじゃ」
卵背負い「それにしても、なぜ急に、わしらの声をお聞きに……いえ、言葉を話すようになられたのですか?」
混沌の娘「私は、いつものように話しているだけです……聞こえていなかったの?」
卵背負い「はい。わしはてっきり、わしら如き不死が、高貴な貴女様に口を効いてはならぬのだとばかり…」
混沌の娘「そんなつもりは…」
卵背負い「! いけません、忘れておりました!この者達はわしが退治して…」
コブラ「ははーん、そうか分かったぞ」ギューッ
卵背負い「あいちちち!い、痛いっ!手を踏むんじゃない!」
レディ「何が分かったの?」
コブラ「姫様。この巣の外で、君の姉妹に会ったんだが、その時にこう言われたんだ」
混沌の娘「姉妹…」
コブラ「お前の力が、私を感知しているのかってな」
混沌の娘「貴方の力?…確かに、貴方からは強い力を感じる。まるで…」
コブラ「でも俺には何の話か分からないんだ。ここに来るまでにソウルを溜め込んではいるが、そのソウルが自動翻訳機なんていう代物になるとは思えない」
コブラ「つまり、俺のソウルは原因じゃあない。すると、俺の心当たりは…」ゴソゴソ…
コブラ「コイツだけになる」スッ
レディ「指輪ね!」
コブラ「そう、多分こいつのイタズラだ。触ってみるかい?」
混沌の娘「う、うん…」
混沌の娘「!! これをどこで…?」
コブラ「俺には君の姉妹以外にも魔女の知り合いがいてね。その知り合いから貰ったんだ。なんでも、使い道が分からないそうだ。コイツがなんだか分かるのか?」
混沌の娘「これは……私たちの指輪……どこにいても絆が別たれず、誰にも縁を傷をつけられないように、皆が持っていた」
混沌の娘「でも母が混沌の火を産んでからは、私たちも、指輪も、本来の魔力を失ったはず…」
コブラ「その力ってのは?」
混沌の娘「魔女と人の言葉を分け、時を操ってお互いの姿すら隠してしまう力があるの。この指輪が私達の手にある限り、私達の意思で人との関わりを意のままに出来る」
コブラ「つまり、魔女がこの指輪を使えば、人間は魔女に出会えないし、出会えたとしてもお喋りは厳禁って訳か。独身指輪の頂点だな」フフッ
混沌の娘「でも、おかしいの……これは私達にしか使えないはず……」
混沌の娘「まさか…」
混沌の娘「まさか、姉さんは…」
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