【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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19:名無しNIPPER[saga]
2016/09/15(木) 19:15:33.46 ID:KpK00xl90


太陽。


あるものは、それを神の力の象徴とも言い、あるものは、それそのものが神であるとも言う。
だが、それらの説にも、遥か昔には答えがあった。
太陽は火であるが、世界を支える火は別のところにあると。
その火に神々は惹かれ、その相克に人は惹かれるのだと。

しかしこの地に来た一人の男は、この地に来る多くの不死とは違い、火にも、その相克にも惹かれなかった。
彼の求めるもの、それは『偉大さ』だったからである。



太陽の戦士ソラール「………」



ソラールは、考えに耽っていた。
鐘を鳴らし、偉大なる使命を帯びるためにこの地に来たまでは良かったが、
長く広い石橋を前にして、彼は立ち往生をしてしまっていた。


ソラール(あの橋から飛竜が去ってから、時間は経ったが…)

ソラール(再び俺が橋を渡ろうとすれば、竜はまた現れて、橋の上を焼き尽くすだろう)

ソラール(まあ橋を焼かれる前に渡り切れればいいのだが…脚には自信がないからなぁ…)

ソラール「………」


ソラール「……いや、ここはやるしかないだろう」

ソラール「我が偉大なる太陽よ。どうかご加護を!」シャリィーン!



覚悟を決め、太陽の戦士は自慢の剣を抜いた。
そして盾を構えて、橋の上に一歩踏み入る。

バサァッ!

その直後に、彼の頭上を巨大な影が飛び越えていった。


ソラール「もう来たのか!やはり走り抜けるしか…」

ソラール「…いや、あれはなんだ…?」


だがその巨大な影は、前に彼が見た影とは違い、奇妙なものを幾つかくっつけていた。


コブラ「あれだレディ!鐘だ!」


それは、風を切る飛竜の背に乗る、
全身赤ずくめの男と…



レディ「教会のようね。でもあそこまでたどり着けるかしら?」

コブラ「コイツに喘息の気でもあるんなら無理だろうが、喘息なら火なんて吹けないはずさ!」



その男の後ろに座って、
男の腰に手を回している、重鎧を着込んだ女と…



牛頭のデーモン「ムオオオオオオオオオオオオオ!!」



飛竜の脚にしがみついて、宙ぶらりんとなっている巨大なデーモンだった。
ソラールは咄嗟に脚を止めたが、数瞬考えた後に、
眼前にある光景に湧いた疑問を一旦棚に上げて、橋を渡ることに専念した。

ソラール「………」

進んでは退いてを繰り返させた大橋も、渡ってみれば呆気ないものと、彼は思った。



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