15:名無しNIPPER[saga]
2016/09/15(木) 18:50:54.80 ID:KpK00xl90
亡者達を倒し、汚水路を抜けた2人は、更に襲いくる亡者達の群れを切り抜ける。
その途中でコブラは使えそうな剣を亡者から奪い取り、盾として使えそうな木の板も手に入れていた。
しかし、調子よく事が運ぶなど、コブラは考えもしない。
そして実際に、拍子よく事は運ばなかった。
ドドドドーッ!!
コブラ「おお!?」
レディ「こ、これは…!」
前触れなく降ってきた巨大な『赤い塊』には、大きな翼と爪があり、槍のような鱗があった。
胴体から伸びる尾は長くしなやかで、剣のような鋭さを持っている。
コブラ「悪魔の次はドラゴンか…」
コブラ「だが生憎、オレは天使役にはならないぜ!」
飛竜ヘルカイト「ゴオオオォォォ…」
レディ「竜の口がっ!」
コブラ「花火を撃つ気だ!潜り込めっ!!」
ド オ ッ ! !
大きく開かれた竜の口から、灼熱の炎が噴き出された。
コブラに討たれた亡者達の亡骸はその炎に焼かれ、瞬時に塵と化す。
しかし、竜は肝心の獲物を取り逃がし、懐を晒してしまった。
ガキィン!
だが、股下に潜り込んだコブラが腹に突き立てた剣は、硬い鱗に阻まれて折れた。
レディも拳を突き上げはしたが、やはり、鱗を貫くには至らない。
レディ「逃げるのよ!ここは危険だわ!」
グワッ…
腹部に生じた違和感に苛ついた竜は、大きく足を上げるが、既にコブラはワイヤーフックを民家の屋根に打ち込んでいる。
ド ゴ ン !
竜の足元から土埃が上がるのと、コブラとレディが屋根に着地するのは、ほとんど同時だった。
コブラ「なんて野郎だ。何食えばあんなに腹が硬くなるんだ?」
レディ「今回は逃げてみてもいいんじゃない?」
コブラ「いやあ、まだ手はあるさ。相手が竜なら、こっちも竜の気持ちになればいい」
レディ「えっ?」
コブラ「レディ!オレがあいつに躾をしてやる間、屋根の裏に隠れていてくれ!」
レディ「何をする気なのっ?」
コブラ「虫歯にしてやるのさ!」ニッ
レディ「?」
コブラはなにかを確信したように、不敵な笑みを浮かべると…
レディ「!? コブラーッ!?」
竜の首筋にワイヤーを引っ掛けて、棘状の鱗に飛びついた。
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