【スペース・コブラ】古い王の地、ロードラン
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148:名無しNIPPER[saga]
2016/10/19(水) 18:12:58.57 ID:JH/Vb9Yk0

ボゴオオォーーッ!!!


ソラール「うおっ!?」

コブラ「うあっちちち!なんだぁ!?」


黒ずくめの女の赤熱した掌から、柱のような炎の塊が放たれた。
炎柱は光線のように竜へ向けて伸び、その身体に激突すると、巨大な爆発を巻き起こして薄暗い大空間に一瞬の真昼をもたらした。
竜がいた瓦礫の山は粉々に砕け散って辺りに飛散し、ソラール達の頭上に灰となって降り注ぐ。
竜は硬い鱗に守られてはいたが、全身を真っ黒に焦がし、炭の噴いていた。


貪食ドラゴン「フゴッ…ゴオォォ…」ズズズ…ズズズ…


深手を負い、戦意を喪失した巨竜は、重々しく身体を引きずって大空間の石壁にへたり込むと、身体を丸めて静かになった。





黒いローブの女「浅ましい奴だ」


女はそう言うと、辺りを見渡し、唖然とするソラール達に語り掛けた。


黒いローブの女「お前達もだ。その者達を阻むな」

ソラール「?……なんの事…」


彼女はソラール達に語り掛けた訳では無い。ぬかるみに溶ける不死達を説いたのだ。
ソラール一行の脚から自由を奪っていたぬかるみが、引き潮のごとく浅くなり、平らな地面を覗かせた。



ラレンティウス「こ……これは…まさか…」

戦士「おいおい今度は魔女か!?」

グリッグス「いや、こんな魔法はどこにも無いはずだ…自然に働きかけ、操るなんて魔法は…」

ソラール「こ、これは一体……貴公は何者だ!?」



女はソラールの疑問には答えずに、コブラに顔を向け、口を開いた。
脳を溶かすような、神秘の囁きで。



黒いローブの女「お前は鐘を鳴らしに来たのだろう?」

コブラ「ああそうだ。出来れば君みたいな女性と一緒に鳴らしに行きたいね。フードを取って顔を見せてくれると尚うれしいんだが」

黒いローブの女「お前は不思議な男だ。不死でもなく、人の世の者でも無い」


黒いローブの女「しかし使命は帯びている。誰よりも重く、暗い使命を」



コブラ「………」



黒いローブの女「お前は何者だ?何故お前以外の者にも私の姿が見える?」

黒いローブの女「お前の発する力がそうするのか?時の歪みを合一させたのもお前か?」

コブラ「悪いが話が見えないぜ。俺はこの世界については新米なんだ。むしろこっちが教えて欲しいくらいだぜ」


話が平行の一途を辿ると悟った女は口をつぐんだ。
コブラは嫌な予感に背筋をざわつかせたが、二人の空気を破った者がいた。


ラレンティウス「ああ何てことだ!俺はなんて幸運なんだ!貴女をずっと探していました!」


大沼の呪術師ラレンティウスは、人生最大の幸福の中にあった。


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