141:名無しNIPPER[saga]
2016/10/16(日) 19:10:44.58 ID:6qsRwhjh0
ジャキン!
後方から迫る異形の集団へ向け、コブラはサイコガンを抜いた。
狙いを定めて発射するだけのわずかな時間だが、ボードの進行方向が無防備になる。
それを見越したボードの制御と、異形の集団へのヘイトコントロールはすでに万全であり、大事な時間を危機にさらさない程度の走行用の空間は、完璧に確保されていた。
どれどけ時間が掛かっても、照準に10秒、殲滅に10秒、使用できる時間が設けられている。
それだけあれば、平時でも目をつぶったまま的を撃ち抜けるコブラに、失敗する要因は無い。
ゴワァァーッ!
放たれた閃光は集団へ向かった。
ズドドドドドドドドド!!!
コブラ「おろっ?」
レディ「えっ?」
ドゴアアアーッ!!
しかし閃光が破壊したのは、不意に落下してきた瓦礫の塊だった。
異形達は皆、瓦礫の山に押し潰されて、コブラの消費したソウルを補填する。
コブラの狙いは達成されているし、被害も無い。
だだ、あまりに突拍子に過ぎた事態、もしくは事故を見てしまったために、コブラは少しの間、放心した。
ドゴオオォォン!!
貪食ドラゴン「ワギャアアアアアアアアアアアアアア!!」
コブラ「!?」
そのため、瓦礫の山の上に着地した、悪夢の塊のような怪物を見て本気で驚いてしまった。
コブラ「な、なんだアレは…」
レディ「コブラ!前見て!前ーっ!」
コブラ「え? どわぁーーっ!?」
ボゴーン!
見えない敵を撃てるコブラでも、見えず、しかも忘れている障害物をかわすことは出来ない。
白い灰が固まって出来た丘に、二人はボードごと勢いよく乗り上げ、丘に転がった。
ボードは真ん中から折れてしまい、一つはどこかに行ってしまった。
貪食ドラゴン「クゥ?」
巨大な竜は自身が降りた瓦礫の山に視線を下ろすと、小さな鰐頭の口から、割れた舌を出し、そして探知した。
瓦礫の下に埋まっている、異形だった者達の残骸が発する、香ばしい死臭を。
貪食ドラゴン「ギョアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ズドーン!バリバリバリ…
竜は掘削機のように瓦礫に突っ込むと、翼だけを瓦礫から出して食事を始め、山の標高をみるみる内に下げていった。
776Res/935.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20