11:名無しNIPPER[saga]
2016/09/15(木) 18:42:22.80 ID:KpK00xl90
ガコン…ギギギギギ…
コブラ「あたり一面雪景色で、おまけに断崖絶壁……いよいよ異世界探訪の始まりか」
コブラ「…へっ…ヘーックショイッ!にしても、 この寒さってヤツには参ったね…」ズズッ
レディ「貴方が風邪?今日は珍しい事の連続ね」
コブラ「金属板とにらめっこしてるうちにインドア派にでもなったかな?」
騎士「この先の崖に立てば、王達の地に行ける」
コブラ「…不死の使命の始まりだな」
騎士「ああ。言い伝えが正しいのなら、そのはずだ」
騎士「そして、その崖に立てる者は、選ばれた者だけだ」
騎士「それには恐らく…認めたくないが、私は含まれないのだろうな」
コブラ「行かないつもりなのか?」
騎士「行かないのではなく、行けないんだ……私では、使命を見つける事も出来ない…」
騎士「こう言ってはなんだが、私は石壁を飛び越える事も出来ないし、腕から得体の知れない呪物を出して、デーモンを即死させる事も出来ない。剣が扱えるだけの、ただの死なない男だ」
コブラ「呪物ねえ……ある意味呪いに掛けられてはいるか」
騎士「私より、キミの方がよっぽど使命を全うするのに相応しい。キミに道を譲ろう」
恐らくは貴族階級にあったであろう騎士は、不死院を出てすぐの瓦礫に腰を降ろした。
デーモンと神々が跋扈する地に脚を踏み入れるには、力が全く至らない。 そう判断した彼は苦渋の選択をし、結果を受け入れた。
コブラはレディを連れて崖の際に立ち、そんな失意の中にある騎士に語りかける。
コブラ「そういやあ、あんたの名前を聞いてなかったな」
騎士「……オスカーだ」
遥か遠くから、風を切る音が響く。 突風とも、鳥の羽ばたきとも取れる音が。
コブラ「オスカー。使命は授けられる物じゃない」
コブラ「使命ってのは、こっちから迎え撃つ物じゃないのかい?」
オスカー「………」
コブラ「授けられるのをただ待ってたんじゃ、それは使命なんかじゃないのさ」
バ サ ッ !
オスカー「!」
騎士へと振り向いたコブラとレディを、瞬間、巨大な鴉が連れ去った。
オスカー「…コブラ……」
こうして、不死院からまた2人の巡礼者が現れたが、かの者らは不死ではなく、伝承にすら予見されていなかった。
かの者らは、かの地へと向かう。 古き王達の地…
ロードランへと…
776Res/935.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20