京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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64:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/08/27(土) 19:39:03.69 ID:k4AKpYPM0
 放課後、何か言いたげにしている咲に無理やり牌譜を押し付けて、俺はすぐに帰路に就いた。

 別に用事なんて、実はなかった。

 そりゃあ未だに手のついていない大量の期末課題は残っているが、もう正直そちらは最初からあきらめていた。

 俺の成績なんて、ハンドボールで鍛えた体のおかげで体育だけ5。残りは2か3だ。そこらがオール2になったところで、今更大して変わりはしない。

 部活と勉強を両立している(優希除く)皆とは、雲泥の差だ。


『もっと宮永を見習わんか!』


 頭の中でさっき先生に言われたことを反芻する。


「俺だって…………」


 口から言葉にならない音が零れ落ちそうになるが、押しとどめる。

 いつもとは異なり、まだ日の沈み切っていない、周りには同じ学校の生徒たちがいるにぎやかな帰路なはずなのに、俺の心は一向に晴れなかった。

 二学期が始まってからは、俺はずーっと麻雀部のみんなと一緒にいた。

 そりゃあ同じクラスの男子なら一緒に昼食をとることもあったけど、もう特に最近は昼休みは貯まった雑用や課題、牌譜の整理などに追われて誰とも話していなかった。

 そんな俺が周りで広げられている会話の輪に入れるはずもなく、結局余計にみじめな気分のまま歩を進めていく。
 


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