京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:13:09.50 ID:B6wfBn3i0
(……………来た!?)
南3局 1本場
南家:京太郎配牌
2223666m 7889p 南南 ツモ:南 ドラ:7p
毎日半荘1回打ったとして、月に一度あるかないかの最高の配牌。
現在の点数は
東家 咲 37800
南家 京太郎 14800
西家(親) 優希 23000
北家 和 24400
インターハイ後の女子メンバーの牌譜で勉強し、自分での独学での修行のかいもあって、京太郎はここまで一度もこの化け物連中に振り込むことなく南3局まで進んできていた。
だが、代わりに上がりの回数は1度、猛烈に進みの速かったタンピン手が一回あっただけである。
躱しに躱してじり貧のまま進んできたが、ここに来て機が舞い降りた。
(8p切ってダブリー! 初っ端から端の数牌を待ちに含んだ3面待ちで、上がれないはずがない!)
「よっしゃ、リーチだ!」
「ええっ」
「じょじょ!?」
同じ卓の面子からは驚きの声が上がる。
京太郎は自信満々に牌を横向きに出した。
「いっぱーつ! いっぱーつ!」
上機嫌になりながら、自分で掛け声を上げる。
「おのれ、犬の分際で主人の真似とは!」
「はぁ? 南場でダブリーできたっけお前?」
「二人とも、対局中ですよ」
「「へーい………」」
京太郎と優希のなじりあい合戦が始まると、和からの鶴の一声が飛んでくる。
「むう………」
優希の第1打は東。
待ちがわからない以上、字牌から切るのは当然だろう。
「ふむ」
続いて和の第1打。同じく東。
「うげ………」
まさか、と思って京太郎が咲の方を見やる。
すると案の定、咲の第1打も東だった。これでほぼ一発は消えた。
(まぁ、一発なんて欲張り過ぎか。大丈夫、この3面待ちならきっといける。って………)
「来たー!」
自分のツモ牌の3mを見ると、京太郎は息高々に歓声を上げた。
手配をバラっと倒し、役を述べる。
「ダブリー・一発・ツモ! えっと、後は三暗刻がこの場合はついて、ドラ一つ。あ、南が翻牌で、裏は………乗らないか。でも、えっと9翻だから、倍満! 8000・4000だ!」
「ぐえええええ! おのれ犬めがー!?」
「ざまぁー! 親被りざまぁー!」
上機嫌になった京太郎が、優希の噛み付きを軽くいなす。
「もう、京ちゃんったら………。はい、点棒」
「にしてもいつ以来ですかね、須賀君が倍満上がるの?」
「多分咲が来てからは初めてじゃないか? ああ、この苦節半年かん……ふぁ…」
点棒を受け取りながら、京太郎があくびをかみ[
ピーーー
]。
「京ちゃん?」
「わり、ちょっと寝不足で」
「喜べ犬! 次の一局で、永遠に寝付かせてやるわ!」
「へっ! やれるもんならやってみやがれ!」
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