京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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5:スレ主 ◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:12:11.43 ID:B6wfBn3i0
 別に神様みたいな才能がほしいとか、分かりやすく漫画のキャラみたいな最強になりたいとか、そういうんじゃなかった。
 ただ、大好きな連中と一緒に居られる程度の、一緒にいてお荷物にならない程度の実力がほしかった。
 ボクシングのスパーリングパートナーみたいなものだ。サンドバッグでもいい。丁度いい手ごたえを提供しつつ、彼女たちの戦意高翌揚や試行錯誤に貢献できる程度の、そんな立ち位置でよかった。

 でも―――なんと甘かったことか。
 俺は、サンドバッグにすらなれなかった。殴るだけ、構うだけ時間の浪費となる存在だ。
 そうやって俺は壇上から降りた。壇上には彼女たちだけが残った。俺は壇の下から、彼女たちを眺めながら雑事を務めた。
 喉が渇いたなら飲み物を持ってくるし、探してる本があるなら彼女が部活の練習をしてる間に探してきてやるし、タコスが食べたいなら用意してやるし、牌譜をとって彼女たち同士で研究したいなら、1日に半荘10回、100局だろうが、腕がいくら痛くなっても記録してやった。
 彼女たちの輝きが壇上で増すにつれて、俺が彼女たちのお情けで壇上に上がってお相手をさせて頂く機会も減って行った。
 仮にあったとしても、輝きを増した彼女たちに抵抗できるわけもなく、すぐにまた下ろされた。



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