京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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575:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2017/10/14(土) 00:09:00.84 ID:+BIn1vWU0
 手元へ乱暴に投げられた点棒を、自分の点棒箱にしまいながら京太郎は、今自分が恐ろしいほどの絶好調にいることを自覚していた。

 恐怖は今もつかず離れず、隙あらば押し寄せようとしている。

 だがそれを押し返しているのは、今の自分の状態。

 体中が心地よい熱を帯びて、熱い血流が体中をドクドクとめぐっている。

 そしてそれとは対照的に頭はどこまでも冷え、集中力は止まることを知らない。


(いいか京太郎。麻雀ってのは当たり前だが、人間同士がやるもんだ。
 そいつが人間な以上、どうしてもそこに感情が入ってくる。

 牌だけじゃない、人を見ろ。
 そいつの表情が大きく変わった時、どこを見ていたか、どこにその嫌な牌を入れたか、それを見るだけで随分と違う)


(本当に……赤木さんの言う通りだ…………)


 京太郎が、矢木が中を自模ったのだと知ったのは7から8巡目にかけて。

 京太郎の捨て牌から、京太郎の手が萬子の混一色だと読んでいた矢木は、ある牌を引いて猛烈に顔をしかめ、それを手牌の端に入れた。

 迷わず端に入れたことで、それを字牌だろうとあたりをつけた京太郎は、河に出ている字牌の枚数から、それが中か北だと見破った。

 しかし北は早々に京太郎が捨てているので、捨てるのに気にする必要はない。ならばあの牌は中ということになる。


 相手にロン牌を掴ませることは、裏を返せば握りつぶされることでもある。

 そこで京太郎は、なんとかしてこの中単騎になりそうな手に振り込ませるため、暗刻になっていた發、白を落とすことで混一色から清一色への移行を装った。


 相手に振り込ませるために、翻数を下げる。

 このキーワードにより、作戦を実行に移す際、京太郎の脳裏には久のことが浮かんだ。

 いざ実行に移す際にはやや躊躇われたこの作戦も、当然の如く悪待ちを決める彼女のことを思い出すだけで京太郎の心からは一切の迷いが消えた。

 この場にいるのは京太郎一人。

 だが心の中には、みんながいて支えてくれる。

 この絶好調の流れを、来ている手をどう生かせばいいかは、ずっと憧れていた皆が嫌というほど見せてくれていた。



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