京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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308:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/26(月) 21:29:39.30 ID:fIKZQmnB0
「お前、俺が初めてお前の対局を見た時からそうだがな、後ろに下がることをほとんどしない。常に前へ前へ。どんな苦しい待ちだろうと、手が入りさえすれば親のさらなる大物手に対して逃げることを選ばない。
 ま、それなりに放銃もしているがな。だがむしろ、弱気に流れた時の方が放銃している印象だ」

「要は無謀だってことですか?」

「まぁそれも否定できないな。だが………型にはまった奴ほど、そうやって突っ込んでくる奴のことは恐ろしく感じる。
 前へ進みつつも、最小限の回避だけで相手の手を躱して突っ込み続けられるようになったら………お前、この上なく恐ろしい打ち手になれるぜ」

「お、おお………!」


 かっこいい。

 少年心に素直にそう思った。何か少年漫画の主人公的な感じがする。


「ほれ、また卓が開いたぜ。打ってこい」

「はい!」


 初めて勝ちが続いたことで、俺の調子は上がりに上がっていた。

 麻雀を初めて、こんなことは初めてだった。


(やっぱり気持ちが調子に現れるパターンか。
 なのに心の中に突っかかるものを残したまま打ってちゃ勝てないのも道理だ。ま、ガキらしいっちゃガキらしいな)
 

 赤木さんが後ろで見守っていてくれると、なんだか心が昂ると同時に、安心感がある。
 
 この人が付いてくれているだけで、並大抵のことは怖くない。


「お願いします!」



「さて………打つ(ぶつ)か」
「御無礼」
「あンた………背中が煤けてるぜ」


 と思っていた時期が俺にもありました。



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