京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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265:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/19(月) 23:57:47.84 ID:nlh/sSuL0
 部室の中に漂う空気が、緩んでいくのを感じた。

 入った直後、咲が泣いていた間なんてもう沈み切ってそこに居合わせるだけで辛かったのに、今はそれが去ったことを皆が感じている。


「えっと、部長。それでですね…………」

「何かしら?」

「その、ちょっと申し訳ないんですけれども…………」

「あ、ごめん気が利かないで。いいわ、卓に入っちゃって。
 さっきまでみんな全然集中できてなかったし、仕切り直し―――」

「い、いえ、ありがたいけどそうじゃないんです」


 俺はどうしたらいいかわからず、ドアの方をちらちらと見やる。


「そ、その………さっき、俺が言ってた、努力してるだけで偉いんだって言ってくれた人なんですけども」

「うん?」

「その…………その人が、麻雀好きなんだそうで、俺の話聞いたら練習を見学したいって、今外で待っていて………。
 連れてきてもいいでしょうか?」

「へ?」


 部長が面食らったようだった。

 一山超えたと思ったら、予想だにしないお願いをされたのだから当然だろう。


「…………・うん、構わないわ。むしろ、お会いしてお礼を言わないとね」

「あ、じゃあ………、えっと、赤木さーん…………」


 廊下の方に、言葉尻が消えそうな声で呼びかける。

 ギイィ、と少しドアが音を立てた瞬間。



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