京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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245:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/18(日) 01:20:32.37 ID:m+tVvmfr0
「………部長」

「……………………」

「部長!」


 和の呼びかけにはっとして、久が顔を上げる。


「あ、ああ、ごめんなさい。えっと…………」 


 部室の中は、お通夜のような空気に沈んでいた。

 久は度々うわの空になり、打牌にも思い切りの良さがなく、縮こまっていた。


「それ、ロンです。3900」

「あちゃあ…………」


 そのくせ、振り込む頻度もなかなかに高かった。

 いつもの久なら、待ちを躱した上で逆に悪牌待ちで安い手でも絡めとっていたはずだ。


「久、せめて対局中だけは京太郎のことは忘れい」

「ごめんまこ。頭ではわかっているんだけどね………」


 少しでもぼうっとしてしまうと、昼間の京太郎の今にも泣きそうな顔を思い出す。


『あんたで弱いっていうなら俺は―――!』

「っ―――!」


 手足の筋肉が引きつるような感覚を覚える。

 否が応でも、自分は今まで京太郎のことを軽視していたのだという事実を突きつけられる。



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