京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
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224:スレ主 ◆EvBfxcIQ32[saga]
2016/09/13(火) 00:54:38.81 ID:l+4DyZFv0
「案外すんなり通れたもんだな」

「すんなりっていうか………」


 20分後、俺と赤木さんはバスを使ったおかげで大して濡れることなく、学校に戻ってこれた。

 とりあえず最初に思い付いた無難な嘘として、適当な麻雀雑誌の取材の方だと主事さんには言ってみた。

 主事さんは赤木さんを見た途端にビビってしまい、無言でコクコク頷いて入校証を渡してくれた。

 今俺の隣にいるのは、『近代麻雀』の赤木さんということになっている。

 放課後でほとんど人がいないから誰とも会うことはなかったが、よく知っているこの校舎を赤木さんと歩くのはすごく奇妙な感覚だった。


「そういやぁ、高校っていう場所に来るのは初めてだな」

「え?」

「俺は中学も中退して、博打の腕一本だけで生きてきたからよ。一番やったのは麻雀だな。で、お勉強とはついぞ縁がなかった」

「へ、へぇ…………」


 ひょっとすると、俺はかなり危ない人を招いてしまっているのではなかろうか?

 どうやって会話したらいいものか悩んでいると、あっというまに部室前までついてしまった。

 咲たちに、何と言えばいいのだろう。

 何事もなかったかのように入って、皆に混ざるのは叶わないだろう。

 とにかく、思っていたことをすべてぶちまけてしまおう。

 覚悟を決めて、俺は部室のドアをノックした。



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