175: ◆mZYQsYPte.[sage saga]
2016/11/29(火) 20:22:16.48 ID:6UrSFTGKo
八雲「……よう」
比屋定「……! 八雲! 良かった、もう目を覚まさないのかと」
八雲「まだ逝けるもんかよ」
比屋定「……だって、三日も!!」
八雲「アンタが泣くなよ。私一人の身体くらい、人間全体に比べりゃ安いもんさ」
比屋定「霊素汚染で貴女の染色体は……心臓の横にはコアまで……」
八雲「分かっている」
比屋定「……」
八雲「で、いつまで生きられるんだ。三日か? 一週間か?」
比屋定「貴女は死なない。既にコアが生きていくのに必要な霊素を、体内で生成し始めている」
八雲「人間としての話だよ」
比屋定「……現在の汚染率は89%、このまま行くと三週間後には全身にまわる」
八雲「人間に戦わせるためのシステムが、非人間を生み出しちまうわけかい。なんとも」
比屋定「……」
八雲「そうだ。謝らなくていい。私もお前も、好きなようにやったんだ」
比屋定「違うよ……何て言えばいいのか、全然分からないの」
八雲「謝ったら怒るよ」
比屋定「謝らせてくれないの」
八雲「ああ。それはしちゃ駄目だ。これから流れる血に対しても笑顔でありがとうと言え」
比屋定「私、そんなに風には――――「駄目に決まってんだろ」
八雲「もう折れる気か? アンタの人間への想いはそんなもんなのか?」
比屋定「……」
八雲「私は進んで被験体になったんだ。これで良いんだ。私たちは強くならなきゃ駄目なんだよ」
比屋定「良くないよ。八雲が納得出来たって、私は出来ない」
八雲「納得しろ」
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