103: ◆mZYQsYPte.[sage saga]
2016/09/28(水) 10:42:15.24 ID:NBdSDHsho
雲龍「グラーフさん、さっきから一人で何を……?」
ビスマルク「……」
グラーフ「少し調べ物をな。そうだな。お前の話も聞かせてくれないか」
雲龍「なんについて?」
グラーフ「今回の騒動について。私たちは外国艦、日本海軍が情報流出を恐れて蚊帳の外にある」
小部屋に閉じ込められるような形で待機を命じられているのが、証左だ。
グラーフ「別に漏らすわけではない。知れる限りのことを私は知りたい」
雲龍「分かった。でも、私も大したことは知らないわ」
グラーフ「構わない。今は少しでも情報が欲しい」
雲龍が語ったのは羅針盤が起動した後の自分の動きだった。
護衛部隊の艦娘は錯綜する情報の中にあったこと。
指揮官の指示の下、先の見えない戦闘を開始したこと。
雲龍「あれは我武者羅な攻勢じゃ無かった。時間稼ぎや、陽動の類の動きだった……と思う」
彼女の話はすぐに終わった。
最後は『と思う』か。仕方ないだろうな。断言できる筈もない。
グラーフ「そうか」
雲龍「私が知っているのはここまで。後は知っての通り殲滅戦に近いものだったから」
グラーフ「観閲部隊の各艦で握手会をしていた艦娘が補給を済ませ合流したのか」
合流してからの展開は一方的だった。敵は羅針盤上に構成された艦娘による防御線を突破出来ず撤退。艦娘の被害は存在しなかった。と聞いている。
雲龍「ええ。貴女たちは救助に当たっていたと聞いたけど」
グラーフ「ああ。まぁすぐ終わったわけだが」
こちらも歯切れの悪い答えを雲龍に返す。
ビスマルク「……スクリューに巻き込まれて当然の落ち方だった」
おいおいビスマルクよ。今日の第一声はそれか?
グラーフ「だがそうだな。言う通りだ。逆に、巻き込まれていなかったの不思議でならない」
要救助者はすぐに見つかった。誰一人、死ぬこと無く、見つかったのだ。
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