提督「川内がバイクに乗り始めたのだが」
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8: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2016/06/28(火) 20:54:12.01 ID:IOWq3u0T0

芝ふ浦PA

川内「ムムム。夕張め、また何かイジったな」

川内「何を変えたのかなぁ……少し吹け上がりが早くなったような気もするし」

川内「後で聞いてみるか」

川内「それにしても、今日は全然人が居ないや。貸切かな」ノビーッ

川内「っふう。一休みしたらまた出よっと」

このパーキングで一息入れてから、環状線に向かう。
一周したらまた湾岸へ。外か内かはその日の気分次第。

環状線から見える景色は凄く気に入っている。
陳腐な表現だろうけど、キラキラしていて宝石箱みたいで。

そんな中を疾走するんだから、血液が沸騰するみたいに高揚する。
特に霞トンネルの中はまるでSF映画のようだ。

缶ジュースを片手に、ベンチに腰掛ける。
真正面には、凛と佇む我が愛機。

眺めている内に、いつの間にか頬が緩んでいた。

川内「いいねぇ……やっぱカッコいいなぁ」

最初にこの子を引き取った時は、そりゃあもう酷い状態だった。

何年も放置されていたから外装は埃まみれ。
オマケにタンクの中は錆で真っ赤っ赤。

ブレーキは引き摺るし、左フロントウィンカーはステーが折れて失くなっていた。
勿論セルなんて回らない。

普通だったらまず手を出さない。
ましてや私みたいにまだ乗りたての上、メカの知識も無い様なら尚更。

それでも私はこの子が良かった。
手間や理屈なんてどうでもよくなる位に。



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