91: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2016/08/07(日) 22:54:30.86 ID:NwoHXpb/o
●えんぜつ
エディー「我々は、大いなる決断を迫られています。そして…その決断次第で我々の…世界の未来は大きく変わるのです!!」
部屋の外…遥か遠方から聞こえる、エディーの声。
俺「あー…っと、今一体どんな状況だ?」
現状を把握すべく、部屋の中を見渡すと……羽根の生えた猫型マスコット…獣人が二体と、薄紫色の髪の女の子が一人。
猫型マスコットの片方は…ハルの契約者、ディーティー。額に01と書かれたもう片方は…ユズの契約者、DT。
薄紫色の髪の女の子の名前は、アラク。先の会話にでも出てきた、狭間に巣食う蜘蛛で……
世界線で、現実の世界と虚構の世界を移動したりさせたりする能力を持っている。
見た限り……今俺が居るのは、虚構の世界…Ifの世界と言う訳では無く、もう一つの世界。元の世界とはコインの裏表のような存在のAndの世界らしい。
一旦Ifの世界を経由して…元の世界からこの世界のこの場所に、糸で連れて来られたらしいのだが……その意図自体は、未だに掴めない。
俺はとりあえず、その場に居る全員に聞いてみる事にした。
DT「とりあえず…エディーに関しては、エリアディレイクターの職務を全う中なので欠席を許しておくれ?」
俺「とりあえず、状況を説明してくれるならな?」
ディーティー「聞く前にまず自分のその頭で考えてみたらどうだい?」
相変わらずの態度を取るディーティーの、その頭を掴み…俺は改めてDTの方を向く。
DT「ボク達は今……決戦に向けて準備をしているのさ。それで、光と闇の核の声を皆が聞けば士気向上になると思ったんだけど……」
俺「悪ぃが、そっちの方は期待しねぇでくれ。相変わらずこいつらは寝たまんまだ」
DT「………そのようだね」
俺「ってか、何でアラクまでこっちの世界に居るんだ?カライモンを手伝ってる筈じゃ無かったのか?」
アラク「コレガ、ソノナイヨウ。チナミニ、ショウサイハアカセナイ」
俺「お前もか…まぁ良いけどな」
ディーティー「と言うか……決戦の日までキミは何をするつもりなんだい?そんな事すら決められない優柔不断なのかい?」
俺は返事代わりに、ディーティーの頭を掴む手に力を籠めた。
DT「いや、茶化すつもりも焚き付けるつもりも無いんだけど…一応は皆の動向を把握しておこうと思ってね。実際どうなんだい?」
俺「んー……今ん所詳しくは言えねぇが、俺は俺で行動してる最中だ。一応、その辺りが落ち着いたら全部話すわ」
ディーティー「信用ならな………いぎぃっ」
また更に、さっきよりも強くディーティーの頭を握った。
俺「って事で…そろそろ元の世界に戻してくれっか?」
DT「こちらの世界の時間の経過は、あちらの世界の10分の1。まだそんなに時間も経っていないのに、そんなに急ぐ事なのかい?」
俺「あぁ……なるべく早くに片付けておきたい事なんでな」
DT「なら仕方ない。また会うのは暫く先になるだろうけど…それまで元気で居ておくれよ」
俺「あぁ…お前等も達者でな」
アラク「オタッシャデー」
そして俺は、ノイズと共に元の世界………俺の住んでいるアパートの自室に戻された。
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