49: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2016/06/25(土) 23:42:00.10 ID:j2Va2Sfxo
○ひしがれ
自分「何だか…懐かしい夢を見た気がするッス。ほんの数か月の事の筈なのに…変な話ッスよね」
身体は…痛く所が無いくらい満遍無く痛くて、指一本動かす事が出来なくて……
自分「えっと……今、どんな状況だったッスか………」
口の中は、鉄の味でいっぱい。視界は左半分が霞んで、耳の中では耳鳴りが止む事無く鳴り響いてる。
自分「あぁ…そうッス。確か自分は…虚獣を倒そうと立ち向かって………」
あらぬ方向に指が曲がった右手に、視線を落として…自分は、今の自分の有様を思い知ってるって所ッス。
自分「自分は………誰かを助けるため…誰かを救うために、誰かを救える何か変わろうとしてた筈なのに……」
全力を出して…出し尽くして立ち向かっても……一体を倒すどころか、傷一付ける事が出来なかった。
自分「色んな物に…それまでの自分とは違う自分になろうとして…なって来た筈なのに……」
虚獣は今は力を溜めて…沢山の卵を地上に生み落とそうとしている。
もし今、虚獣に襲われたら…この街は壊滅する。街どころか…世界その物が…全てが…皆が滅ぼされてしまう。
自分「魔法少女でも…大事な人を、誰も救えない………」
どうしようもない無力さと、どうしようもない矮小さを思い知って…押し潰されてしまいそうな中………
「ならば…それを超える存在へと成れば良い。求めよ…力を。求めよ…我を。求めよ…平穏を」
聞いた事の無い男の人の声が聞こえて………
自分「なりたいッス………大事な人を救える…皆を救える自分になりたいッス!!」
自分は…その声の主を求めたッス。
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