188: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2017/06/01(木) 00:48:29.53 ID:4mrMdPgNo
そう……眼下に広がるのは、果てしなく広がる光の海だった。
そしてその海は、今まで突き破って来た壁とは桁違いに、厚く……まるで俺達の帰還を拒むかのように、行く手を阻んでいた。
俺「っ………くっ……ヤベ…ぇ………意識が…削り取られ…ちまう」
レミ「何…これっ……」
無の核『この抵抗は恐らく…君自身の、疑心……だろうね』
俺「はぁっ!?疑心って何だよ、どう言う事だ!!」
無の核『さっきの彼の言葉…そう、言葉では判って居ても…まだ心のどこかでそれを納得出来ていない…つまりは踏ん切りがついて居ないって事』
俺「踏ん切りって、そんな事……いや………」
そんな事が無い…とは断言出来ない。確かに…恐れや不安が残っている自分が居る。
全ての可能性を見てしまった自分はもう居ないのに…この先には、進むべき希望のある未来があると判っているのに……
その未来が予定調和では無いのか……予め結末の決められていた物…運命では無いのかと疑ってしまっている自分が居る。
無の核『それに対して…ボクから言える事は、そう多くは無い。ただ……』
俺「って…おい!お前、さっきよりも薄くなって……」
無の核『あぁ…うん。そろそろ限界…みたいだね。でも……思ったよりは長くもった……かな。じゃぁ…これは、僕からの最後の言葉だ』
俺「お前………」
無の核『深く…考える必要は無いんだ……肩の力を抜いて…キミがキミに戻る…それで良いんだよ………』
そして、その言葉を最後に………無の核は霧散し、光の海の中へと消えて行った。
俺「っ……馬鹿野郎。最後の最後にそんな事言われて……肩の力なんて抜けるかよっ……」
ハル「だったら…少し、お話しましょうか?」
俺「………えっ?」
レミ「さっきの話の続き……アンタらしい駄目男らしさの話…ね?」
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