167: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2017/05/12(金) 21:28:31.51 ID:trHU3eXho
俺「っあ……!?」
ウロボロスが俺の中に入り込み…まるで激流のような勢いで身体の中を駆け巡って行く。
まずそれは……体表に現れた黒い入れ墨のような物になって、触れた右腕から全身に広がり……
それに伴うように、ウロボロスが今まで見て来た物……記憶の断片が俺の中で何度も何度も通り過ぎる。
一つの記憶…一つの世界…その世界に存在するありとあらゆる物の記憶。
たった一つのそれを、咀嚼する訳でも無くただ飲み込むだけで頭が壊れておかしくなってしまいそうになる。
にも拘わらず、それが何度も何度も…それこそ無限に続くかのような錯覚に苛まれた後………
気が付けば………
体表の模様が全て左手の手の平に向けて収縮して行き……
その手の中に、赤い立方体を作り出していた。
俺「何だ……これ?」
無の核『ウロボロスにより集積された、知識の結晶体…とでも言えば良いのかな』
俺「あぁ…そう言う系な物な訳な。んでこれをどすうれば良いんだ?」
無の核『その立方体…箱を開けるんだ。そうすれば、さっき言った通りの手順に進む事になる』
俺「成程…な」
無の核からの説明を受け、俺はその立方体に手を伸ばす。
そして、いざその立方体…箱を開けようとした瞬間…………
カライモン「………待ち給え!!」
カライモンから、制止の声が上がった。
俺「どうした?あんまり長くは持ち堪えらんれねぇんだが…」
カライモン「どうしたもこうしたもあるか!君は…それが何か判っているのか?!それを開けてしまえば、君に待っているのは…」
いつに無く…切羽詰まった声色で、必死に俺を止めようとするカライモン。
俺「絶望…だろ?にしても、締め括りが開けちゃぁいけねぇ箱で…開ければ絶望とか…話が出来過ぎてるよなぁ」
カライモン「ならば…そう思うのであれば、止めれば良い事では無いかね!!」
俺「つっても……ここまでやっちまった以上、後戻りは出来ねぇからな。ま、上手く行くように祈っててくれ」
だが…俺はそんなカライモンの制止を振り切りって、箱を開け………
―――絶望の
――――――本当の意味を理解する事になった。
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