65:咲×久保[sage]
2017/02/26(日) 15:05:29.17 ID:kP8uT27vO
二人になると途端に静寂さが増して緊張感が湧き上がってくる、こんなにドキドキするのは小鍛治プロと手合わせした以来かもしれない。
「いったい外に行って何をするんだろう?」
…どうやら意識しているのは私だけか、と言うより本当に練習に行ったと思っているらしい鈍感っぷりには少し和まされた気がする。
「あの…」
「な、なんだ?」
「どうして言ってくれなかったんですか?」
「えっ」
「いきなりだったから準備も何も出来てないですよ」
と、唇を尖らせ不満そうに呟く咲の姿に鼓動が高鳴る。
いつも何かに怯えるように自己主張もしない彼女の少し生意気な抗議は、はっきり言って破壊力があった。
「べ、別に、準備なんて…」
「でもプレゼント、私からのプレゼント、いらないんですか?」
こんなことを聞かれたのは初めてで、強気に言われたこともあって何も思いつかない。
いや、それ以上に欲しいものは目の前に…
『せっかくの誕生日ですし』
そこで浮かんだ福路の言葉。
良いんだろうか?年の差があるのに?コーチと選手なのに?女同士なのに?
何よりこんな私で良いのだろうか?
「コーチ!」
「へっ?」
ひしっ、いきなり抱きついてくるという大胆な行動を取ってきた咲。
その割に真っ赤になっている耳が何とも可愛らしい、などと現実逃避をしてみても相手の温かさが分かるくらい近いんだから早くなる心臓の音は誤魔化せてないだろう。
きっと伝わってる、ああ、恥ずかしい…
「プレゼントは私です、貴子さん」
(押すなし!)
(あれは両想いですね、コーチ代理!)
(良かったわね、咲)
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