八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「またね」
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9: ◆iX3BLKpVR6[saga]
2016/06/07(火) 00:22:26.91 ID:J34r1N8z0



八幡「……………」



本当に嫌になるよな。何が嫌になるって、得手不得手がある事を良しとせず、欠点がある事を許せない輩が多い事だ。
そりゃ、誰だって苦手を無くせるものならそうしたい。努力や反省で直す事が出来るのなら、それは本当に素晴らしいと、俺だって思う。

だが、現実はそんな簡単にはいかないのだ。



八幡「…………」 きょろ



人にはどうしたって変えられないものがある。出来ない事がある。払拭できないコンプレックスや、癒えない古傷があるんだ。

出来ない事を出来るようになる。乗り越えられない壁を、乗り越えられるようになる。なるほど。それは素晴らしい。

しかしそれは、一部の人間のみだ。誰もが、そう易々と叶えられると思うな。
自分が出来る事を、他人も出来ると思う等、なんと傲慢なことか。



八幡「…………」 きょろきょろ



世界はそこまで等しくはない。
誰しもが等しく悩みを抱えていても、その内にある全容は、不平等と言える程に格差がある。

他人でも、自分でも、そんな暗い部分を認めずしてどうする。どうして、出来ない事を肯定してやれない。

得手があるなら良いじゃないか。不得手があったって、それを補って余りあれば良い話じゃないか。

弱い所に劣等感を感じるのは仕方がない。恥るのも分かる。だが、悪とする必要は無い。



得手も不得手も、等しく、己の一部なのだから。





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