八幡「やはり俺のアイドルプロデュースはまちがっている。」凛「またね」
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391: ◆iX3BLKpVR6[saga]
2017/08/09(水) 02:57:44.58 ID:rz2WyN+/0




アイドル。

それは人々の憧れであり、遠い存在。



そう言ったのは、濁ったような、淀んだような、どこかに斜に構えて物事を捉える、そんな目をした男の子だった。

ーーそう、男の子。

自分とそう歳の変わらない、どこにでもいるような普通の男の子。
……いや、どこにでもいるって言うのは、少し言い過ぎかな。あの人みたいなのがいっぱいいたら、正直色々と大変だと思う。

捻くれていて、素直じゃなくて、卑屈で不遜で、でも、本当は優しい男の子。

その在り方は不器用そのものではあったけど、きっと醜いものではなかった。一見しただけでは、表面だけを見るのであれば、それは歪で、とても完璧とは程遠いものではあったけど……



ーーそれでもきっと、それは美しいものだったんだ。






凛「……ねぇ、奈緒」



私は窓の外を流れる雲を見ながら、ぽつりと、言葉を零す。



凛「奈緒にとって、アイドルって何?」



それは、いつかあの少年から問われたこと。
自分に自信が持てず、憧れから目を背けていた、私への問い。

結局その時は答える事が出来なかったけれど、”それ”を探し続け、私は今も歩み続けている。





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