126:名無しNIPPER[saga]
2017/01/01(日) 05:20:35.68 ID:1sW5eCJ/0
そのイ級は深海棲艦の中でも落ちこぼれだった。
錬度の低いイ級の中でも更に性能の劣る者だった。
本来、イ級には自我が少ない。
あるのは「上位艦からの指令を順守する事」のみ。
戦闘に必要な「自己判断能力」は存在するが、それ以外の精神は希薄である。
故に人間のように自らの性能を誇ったり、他者を貶したりはしない。
しかし、この「落ちこぼれ」は違っていた。
平均性能にすら達していないという「ストレス」が、そのイ級に特別な思考形態を持たせていた。
悪い言い方をすると「劣等感」
良い言い方をすると「向上心」
勿論、そんな思考形態が性能や任務に大きな影響を与えるわけがない。
だから、同胞は誰もそのイ級の些細な特異性に気付かなかった。
152Res/61.33 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20