229:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/26(月) 01:28:51.24 ID:znhwGlXXo
はてさてドラマツルギーはぼくの要望に「いいだろう。こちらからも尋ねたいことがあるのでな」と
応じた。ふむ。応じるか。少なくとも未だ対話の余地はあるらしい。
「ぼくが勝ったら――あなたはキスショットの右脚を返してくれる、でいいんですよね?」
自信たっぷりに、ぼくは問う。ぼくが勝つのが前提であるかのように。ドラマツルギーが
負けるのは必定であるかのように。
「……………………」と、ドラマツルギーは押し黙る。これは効いている……んだよな?
ドラマツルギーは、じっと、ぼくを見る。訝しみ、不思議なものを見たように、ぼくを観察する。
…………なんだろう? 期待したような反応とは違うもののような気がする。そう、ただ、
「何を言ってるんだこいつは?」といった視線だ。
「あの、ドラマツルギーさん?」
「――ああ、いや、すまない……その、なんだ。ハートアンダーブレードの眷属よ。お前は、
ハートアンダーブレードをキスショット呼ばわりしているのだな?」
「はあ。そうですけど」
なんだ? そんな珍しいことなのか? 吸血鬼界隈はどうにも面倒そうだ。
「界隈がどうとかそういう問題ではないのだが……まあ、ハートアンダーブレードがそれを
良しとしているということは、情報の信憑性が高まるので助かるのだが」
「?」
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